2009年04月01日

『「係長」山口瞳の処世術』

おととい買った300頁ほどの分厚い新刊ですが
あまりの面白さに昨日読了。

タイトルはビジネス書みたいですが
サントリー時代の山口瞳の部下だった
小玉武によるすばらしい評伝。

初めて知るエピソードが満載で
山口瞳ファンにはたまらん一冊でしょう。

『人殺し』というホステスとの不倫小説なんて
あんまり山口瞳らしからぬ小説のことに
かなりのページをさいていたのも面白かった。

ほかにも新潮社の“影の天皇”と呼ばれた
「齋藤十一」が
「五味廉祐」と「山口瞳」こそ天才だと評価していた
エピソードなどオドロキでしたが
なにより「会社人間」としてすぐれていたんだなあと
ものすごく山口瞳を再評価する一冊になりました。

「勝間成功本」とか「茂木脳本」なんかのビジネス書しか売れない
なんか空しいこの時代。
この本をビジネス書コーナーで推奨する書店が出てきてほしいと
がらにもなく思いましたな。

うーん自分で
山口瞳のライフワーク「男性自身」の中でベスト3はなんだろうか?
と思って考えてみた結果を発表。
(ちょっと記憶違いがあるかも)

1位:
電車かバスか忘れたが乗り合わせたちっちゃな女の子が
童謡「大きな栗の木の下で」を歌い
「はい(続きをどうぞ歌って)」と山口瞳に振られてしまったときの話。

2位:
「私の好きな・・」シリーズだったか
田舎の駅に咲いているコスモス

3位:
「庭の落ち葉をたきながら
静かな物思いにふけっているようにみえる私の頭の中では
実はこのような大宴会が繰り広げられているのであります。」
という一節。
ほんと山口瞳節だなと吹き出しそうになった。


いやいや誠に奥の深い作家ですね。
posted by 今夜も前祝い at 22:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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