2009年03月04日

珍しく「思い出し笑い」

角田光代の新潮文庫の新刊
『しあわせのねだん』があんまり面白いので
帰りの居酒屋で笑いながら読んでいたら
「立ち食い蕎麦屋」の頁で
ふっと大昔のことを思い出したので
そのことを記しておきます。

わたくしが大学生だったころ
どういうわけだか
父親が妹を連れて上京してきたことがありました。
妹は確かまだ高校生だったか?

京王線の仙川駅から歩いて10分ほどのところにあった
4畳半一間のアパートに住んでいたころの話です。

土佐の高知から遠路はるばる仙川駅までたどりついた
父と妹は駅前の立ち食い蕎麦屋で
腹ペコだっからとりあえずうどんを頼んだらしい。

「こっちのうどんはおつゆが真っ黒ながやねえ」
と関西圏人らしい感想をのべておりました。

そして食べ終えると
当時わたくしのアパートが
武者小路実篤先生邸の向かいにあったもので
「ところで武者小路先生のお宅にはここからどう行けば?」と
立ち食い蕎麦屋の主人に尋ねたそうです。

そしたらご主人
着のみ着のままのなりで
うどんをすすっていた父娘が
どうにも生活に困り果てて
武者小路先生を頼りに上京してきたんだと
思い込んだようで
実に丁寧に道順を教えてくれたとのこと。

「ほんと、失礼しちゅうぞね!」
という妹の憤慨を聞いて吹き出した覚えがあります。

でも駅前の立ち食い蕎麦の主人が
そんな地域情報を知っているという
思えばのどかな時代だったのですね。

その数年後に急逝した父のことをを知らない
3人の姪っ子たちに残してやりたいエピソードとして
伝えておきたいとも思いました。

こういうのって
どんな家族にもある「些細だけど大切なエピソード」ですよね。

昨夜庄野至の『三角屋根の古い家』を読んで
感慨深かったものだから
珍しく品のいいことが書けたかも?
http://www.bookjapan.jp/search/review/200901/okazaki_takeshi_01/review.html

でも今夜も呑みすぎちゃった。

あ、角田さんの新刊の面白さのせいにしておこう。
posted by 今夜も前祝い at 22:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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